あなたがお困りのその症状、もしかしたらトラウマのせいかもしれません。
原因のわからない病気や、いろいろな治療をしたにも関わらず改善しない症状にお悩みですか?
その場合、原因は、幼少時に経験したトラウマ(心的外傷)である可能性があります。
トラウマは、生涯にわたって私たちの心身に影響を与える
トラウマとは「心的外傷」、つまり「心の傷」のことです。
ここでいうトラウマとは、その人の許容範囲を超える恐怖や悲しみ、恥などのつらい感情をともなう出来事を体験することで、脳の機能が影響を受け、様々な精神的・心理的または身体的な影響が起きてしまう状態のことをいいます。(詳しくはこちら)
とくに、幼少時に虐待をはじめとするマルトリートメント(不適切な養育)を受けると、脳のトラウマが積み重なり、ひいては脳の変形や機能異常、自律神経やホルモンのアンバランス、免疫の誤作動、腸内細菌叢の異常、などを引き起こし、その経験から数年〜数十年経った後に、身体の病気を発症する可能性が高くなります。
逆境的小児期体験(ACE)研究により、今まで知られていなかった病気のリスクファクターが明らかに
1998年に発表された、フェリッティとアンダによる逆境的小児期体験研究(The Adverse Childhood Experiences Study:ACE(エース)研究)(Pubmedリンク)は、小児期の逆境と成人期の病気の間の高い相関関係を明らかにしました。
子どもの頃に、上記のような困難な環境にさらされた人たちは、そうでない人たちよりも高い確率で成人期に病気にかかることがわかりました。
とくに、女性における自己免疫疾患(関節リウマチなど)と小児期逆境との関係は、
「肺がんとタバコ」
「自動車事故と飲酒運転」
に匹敵する相関関係があることが判明しました。
自己免疫疾患や慢性疲労症候群、線維筋痛症などの病気は「原因不明」と言われており、今まで根本的な治療法がありませんでした。
ですがACE研究は、これらの病気を小児期逆境によるトラウマの結果としてとらえてアプローチすることで、根本治療を目指すことが可能である、という意味で、光明をもたらしたと言えるのではないでしょうか。
(逆境的小児期体験について、詳しくはこちら)
身体疾患の治療としてのトラウマセラピー
トラウマ治療には、様々なものがあります。
認知行動療法や持続エクスポージャー療法などが有名ですが、近年は、より身体感覚や反応に注意を向けた「ソマティック(身体志向)」な心理療法が主流になりつつあります。
そのような治療法として、EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)、ソマティックエクスペリエンシング®︎(SE)、ブレインスポッティング(BSP)などがあります。
また、マインドフルネスに基づいた認知療法も効果があるとされています。
そんな、マインドフルネスの要素やソマティックな要素を含有し、同時に「人の心は複数の副人格(自我状態)からなる」という概念をもち、いま世界的に注目を浴びている心理療法が、内的家族システム(IFS)療法です。
世界で注目されているトラウマセラピー:内的家族システム(IFS)療法
2013年に発表された論文「関節リウマチに対する、IFSに基づいた心理療法的介入の転帰についてのランダム化比較試験」では、IFSによる介入前と後では、リウマチの疾患活動性を表すDAS-28CRP4という数値が、ほぼ「高い」状態からほぼ「寛解」の状態に、3ヶ月で改善した、という結果が得られました。(詳しくはこちらをご覧ください)
身体の病気に心理療法が効果がある、と聞くと、驚かれるかもしれません。
しかし、昔から「心身一如」という言葉があるように、それだけ私たちの心と身体は、深く関係しているのです。
病気の根本原因を25年間追求してきた私が伝えたいこと
私、医師佐久間智子(旧姓矢崎)は、25年間病気の根本原因を追求してきた結果、心と身体の関係、すなわちトラウマが体に及ぼす影響にたどり着きました。
(私の「病気の根本原因を探す旅」のストーリーは、こちらをご覧ください)
病気の原因は、もちろんトラウマだけではなく、遺伝的要因や、有害物質への暴露、感染、栄養不足など、様々な要因が関与しているため、トラウマ治療だけですべての病気が良くなるとは言えません。
ですが、もしあなたが、今までにいろいろな治療法を試してきたのにも関わらず、病気や症状にお悩みなのであれば、
トラウマ治療を、試してみる価値がある。
と考えています。
トラウマ治療には様々なものがあり、私がとても素晴らしいと思っているのが内的家族システム(IFS)ですが、人それぞれ相性の良いものが違うと思います。
なので、IFS以外にもいろいろ探してみて、あなたにとって良いと思うトラウマ治療を見つけていただきたいと思います。
このサイトに書いてある情報は、ご存じなかった方にとっては、にわかに信じがたいことかもしれません。
しかし私は、今の時代は、太古の昔から人間が病魔と「闘ってきた」歴史がくつがえる時代なのではないか、と思っています。
多くの患者さまが、トラウマを癒すことにより、より健やかで幸せになられることを願っております。